アムール川とオホーツク海

北部北太平洋は、高栄養塩・低クロロフィル(HNLC)海域として知られています。HNLC海域とは、表層に多量栄養塩(硝酸塩・リン酸塩・ケイ酸塩)が高濃度で存在するにもかかわらず、鉄が少ないことから、植物プランクトンの生物量が低い海域を意味します。鉄は通常、表層から沿岸域へ運ばれますが、北部北太平洋の中央部へ運ばれることは珍しいと考えられています。

 

オホーツク海近隣は、表層と深層の対流が起こることで、栄養分が豊富になることも特徴的です。しかし、オホーツク海は、アムール川から豊富な溶存鉄が運ばれる為、HNLC海域ではありません。シルカ川、アルグン川、ゼーヤ川、ブレヤ川、ソンホワチアン川、ウスリー川などの支流を含むアムール川は、全長4,444km、流域は2,129,700km2に及びます。流域の多くは北方林、混合林や湿地に囲まれ、下流域は耕作地やブラゴベシチェンスク、ハルビン、ハバロフスク、コムソモーリスク・ナ・アモーレなどの主要な都市が広がっています。比較的開発の少ない流域から、様々な陸起源の栄養分がオホーツク海へと運ばれるのです。溶存鉄の重要な点は、湿地のような無酸素状態の環境でつくられるという点です。

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