2009

国際シンポジウム
「 オホーツク海の環境保全に向けた日中露の取り組みにむけて」

開催期間:11月7日(土)~8日(日)

ポスター画像

会場:北海道大学学術交流会館 第一会議室

主催者:
北海道大学低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター
北海道大学スラブ研究センター
総合地球環境学研究所
北見工業大学未利用エネルギー研究センター
国土交通省 北海道開発局
国際科学技術センター
北海道大学「持続可能な開発」国際戦略本部

共催:
文部科学省

言語:日本語/中国語/ロシア語(同時通訳あり)
対象:専門家、一般市民、大学生、行政関係

★共同声明文に賛同していただきました。

1. 英語 2. 中国語 3. ロシア語 4.日本語

 

行事概要

北 東アジアの縁辺海であるオホーツク海は、北半球における海氷発達の南限であるという自然を背景とし、海洋物理、海洋化学、海洋生物学的に他には例のない ユニークな環境を誇っている。海氷に依存する生物多様性に加え、世界でもまれにみる豊かな基礎生産に立脚する水産資源は、日露だけでなく、世界の重要な食 糧資源供給地としての役割を担ってきた。
近 年、このようなオホーツク海に対し、アムール川が与える影響が二つの側面からクローズアップされるようになった。ひとつは、アムール川を起源とする溶存 鉄がオホーツク海や隣接する親潮域の基礎生産に果たす役割であり、もうひとつはアムール川(黒龍江)流域で排出される種々の汚染物質がオホーツク海に及ぼ す影響である。両者はオホーツク海に相反する影響を与えるが、いずれにしろオホーツク海の自然環境を隣接するアムール川流域と切り離して考えることはもは や適切ではないという課題を我々に突きつけている。
面 積205万平方kmを有する広大なアムール川流域は、モンゴル、中国、ロシアという三ヶ国によって領有され、その流域に住む人口は1億人を超える。20 世紀後半に起こった急速な土地利用変化は、溶存鉄の供給地である湿原の急速な減少をもたらし、急速な工業化の進展は、2005年11月に起こった松花江流 域の石油化学工場の惨事とそれに引き続くアムール川水系の汚染に代表されるように、国際河川アムール川の越境汚染を加速させている。この状態を放置すれ ば、遠くない将来、アムール川流域の環境劣化の影響がオホーツク海や隣接する親潮域に及ぶことは必至の状況にある。
二 十世紀の後半から急速に進むグローバル化の影響は、ここ北東アジアにおいてもヒト・モノ・情報の流れに対する障壁としての国境を極めて低くした。木材を 巡るロシア極東地域と中国・日本の関係、オホーツク海の水産資源消費者としての中国の台頭、黒龍江省で収穫される農作物の日本における消費など、この地域 における経済活動は国境を越え、これらの地域の相互依存関係によって引き起こされる環境変化も広域にわたって影響を顕在化し始めている。
本 シンポジウムでは、オホーツク海とは密接不可分なアムール川流域を含めた地域に関わる日中露の三カ国が、オホーツク海および隣接する海域の環境保全に対 してどのように関わることができるか、ということを学際的に考えたい。シンポジウムを通じて展開される科学的な議論に基づき、将来のアムール・オホーツク システムの持続可能性をより深く議論するための国際的な科学者ネットワークとしての「アムール・オホーツクコンソーシアム」の設立を試みることが本シンポ ジウムのゴールである。(同時通訳付)。

 

セッション1:アムール川流域とオホーツク海の自然

セッション2:アムール川流域の土地利用変化とその影響

セッション3:アムール川流域の土地利用変化の背景

セッション4:アムール川保全のための中露の取り組み

セッション5:オホーツク海保全のための日露の取り組み

セッション6:黒龍江・松花江保全のための日中協力

セッション7:多国間の枠組みによるオホーツク海の保全

総合討論:学術ネットワークの設立にむけて


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プログラム


11/7(土)—————————————————

09:15-09:30
開会の辞 本堂武夫 (北海道大学 副学長)
09:30-12:25
セッション1:アムール川流域とオホーツク海の自然科学
座長:江淵直人(北海道大学低温科学研究所)
9:30-9:55
大島慶一郎(北海道大学低温科学研究所)
「オホーツク海の海氷減少が北太平洋に与える影響」
9:55-10:20
西岡純(北海道大学低温科学研究所)・中塚武(名古屋大学環境科学研究科)
「親潮域の生物生産を支える中層鉄輸送」

10:20-10:45
「ロシア連邦によるオホーツク海の定常海洋モニタリング」
エフゲニー・カラシェフ(極東水文気象研究所)
10:45-11:10
「北海道周辺海域の沿岸海洋環境について」
福山龍次(北海道環境科学研究センター)
11:10-11:35
「北海道における大気中金属成分」
大塚英幸, 丹羽忍, 秋山雅行(北海道環境科学研究センター)
11:35-12:00
「アムール川流域における溶存鉄の生成と輸送モデリング」
大西健夫(総合地球環境学研究所)
12:00-12:25
「オホーツク海と北部北太平洋における中層水および鉄輸送モデリング」
三寺史夫(北海道大学低温科学研究所)
12:25-13:30  昼食
13:30-16:00 セッション2
アムール川流域の土地利用変化とその影響
座長:だ志剛(黒龍江省社会科学院東北アジア研究所)
13:30-13:55
「アムール川流域の土地利用・被覆の歴史的変遷」
セルゲイ・ガンゼイ(ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所)
13:55-14:20
「土地利用変化が鉄輸送に与える影響」
楊 宗興(東京農工大学)・柴田英昭(北海道大学北方圏フィールド科学センター)
14:20-14:45
「湿原干拓が鉄の様態に与える影響」
閻 百興(中国科学院 東北地理農業生態学研究所)
14:45-15:10
「有毒有機物によるアムール川の慢性的な汚染」
リュボフ・コンドラチェバ(ロシア科学アカデミー極東支部水・生態学研究所)
15:10-15:35
「松花江ニトロベンゼン漏洩事故による漁業への影響の調査および評価」
劉 海金(中国水産科学研究院)
15:35-16:00
「油汚染等の海洋生態系への影響評価の技術体系」
長 雄一・田原るり子(北海道環境科学研究センター)
16:00-16:20  コーヒーブレイク
16:20-18:00 セッション3
アムール川流域の土地利用変化の背景と影響
座長:田畑伸一郎(北海道大学スラブ研究センター)
16:20-16:45
「ハバロフスク地方における森林資源・森林政策・森林管理の動向」
柿澤宏昭(北海道大学 農学研究院)
16:45-17:10
「中国三江平原における農業開発の特質 -国有農場の水田開発に着目して- 」
朴 紅(北海道大学 農学研究院)
17:10-17:35
「中ロの木材貿易と木材分野の経済協力」
封 安全(華東師範大学 国際関係・地区発展研究院)
17:35-18:00
「アムール川流域の土地利用・被覆変化の要因としての日中露貿易」
ナターリア・ミシナ(ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所)
18:30-20:30  懇親会
11月8日(日)
08:30-09:45 セッション4
アムール川保全のための中露の取り組み
座長:ピーター・バクラノフ(ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所)
08:30-08:55
「露中共同アムール川モニタリング:主要な成果と課題」
アレクセイ・マヒノフ(ロシア科学アカデミー極東支部水・生態学研究所)
08:55-09:20
「黒龍江の水質環境モニタリングと現状(仮称)」
宋 男哲(黒龍江省環境保全局環境監視センター)
09:20-09:45
「アムール川流域における国際協定および国境地域の環境政策の進展」
ユージーン・シモノフ(世界自然保護基金 ロシア支部)
09:45-10:00  コーヒーブレイク
10:00-12:05 セッション5
オホーツク海保全に対する日露の取り組み
座長:大泰司紀之(北海道大学名誉教授)・松田裕之(横浜国立大学)
10:00-10:25
「オホーツク海の海洋哺乳類:個体数、資源消費量、および将来の研究課題」
キリル ザリコフ(VNIRO,海洋哺乳類研究室)

10:25-10:50
「オホーツク海洋生態系:漁業生産と日ロ隣接地域における生態系調査」
山村織生・服部薫(水総研セ・北海道区水産研究所)・小林万里(東京農業大学)
10:50-11:15
「オホーツク海における鯨類多様性と資源動態及び資源保全と管理に関する展望」
加藤秀弘(東京海洋大学)・宮下富夫(遠洋水産研究所)・藤瀬良弘(日本鯨類研究所)
11:15-11:40
「日露生態系保全協力について」
松田裕之(横浜国立大学)
11:40-12:05
「オホーツク海サハリン北東沖の冷湧水付 近に産するガスハイドレートの国際共同研究」
庄子 仁(北見工業大学未利用エネルギー研究センター)、ヤン K. ジン、アナトリー オブジロフ、ボリス バラノフ
12:05-13:15 昼食
13:15-14:30 セッション6
黒龍江保全に対する日中の取り組み
座長:閻百興(中国科学院東北地理農業生態学研究所)
13:15-13:40
「北海道の環境技術や環境分野での経験」
川村晃輝(国土交通省 北海道開発局)
13:40-14:05
「中日農業・経済貿易における協力:北海道と黒龍江省の協力展望」
だ志剛(黒龍江省社会科学院東北アジア研究所)
14:05-14:30
「オホーツク海圏の位置づけと周辺各国との協力関係」
吉田 進(環日本海経済研究所)
14:30-14:45  コーヒーブレイク
14:45-16:50 セッション7
国際的な枠組みによるオホーツク海の保全
座長:柿澤宏昭(北海道大学 農学研究院)
14:45-15:10
「巨大魚付林とその保全」
白岩孝行・花松泰倫(総合地球環境学研究所)
15:10-15:35
「オホーツク海沿岸の環境に対するサハリン住民の意識変化」
セルゲイ・プロコペンコ(サハリン州立大学)
15:35-16:00
「オホーツク海&海氷国際シンポジウムの24年」
青田昌秋(北海道大学名誉教授)
16:00-16:25
「ヘルシンキ委員会―バルト海環境保全の35年」
ニコライ・ヴラソフ(ヘルシンキ委員会)
16:25-16:50
「ロシア極東地域の持続可能な発展の方向性」
ピョートル・バクラノフ(ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所)
16:50-18:00 総合討論
座長:白岩孝行(総合地球環境学研究所))
コメント:「国際科学技術センター(ISTC)の活動について」
高木 優(国際科学技術センター)
18:00-18:15 閉会の辞 柳屋圭吾(国土交通省 北海道開発局開発監理部)

 


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